歯磨きが充分されていないと、ネバネバしたプラーク(歯垢)が除去しきれず何日も歯の表面に残っている状態になります。
このプラークとだ液に含まれるカルシウムやリン酸と結びついて石のように硬くなります。これが歯石です。
歯石はザラザラしているので細菌が付着しやすく、むし歯や口臭、特に歯周病のリスクを高めます。
歯石は、歯肉より上の歯の表面に付いているものを「歯肉炎上歯石」といい、白っぽい色で比較的柔らかです。歯と歯肉の溝
(歯周ポケット)にできるものを「歯肉縁下歯石」といい、黒褐色で硬く取り除きづらいのが特徴です。
歯石は、成分の約80%はリン酸カルシウムですが、そのほかにタンパク質、炭水化物や細菌の死骸などからもできています。
歯垢(プラーク)が残ったまま放置すると、個人差もありますが2~3日で石灰化し始め、やがて歯石へと変化して除去しづらくなります。
歯石は下の前歯の裏側や上の奥歯の外側など、だ液腺の近くにある歯につきやすい傾向があります。
歯石を付着しにくくするためには、そのもととなるプラークが付かなくするための毎日のブラッシングが肝心です。
歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシなども併用して歯と歯のすき間も丁寧に掃除しましょう。
しかし、お口の中から完全にプラークをなくすことは困難で、数ヵ月程度でほとんどの方に歯石が沈着してきます。
歯石はブラッシングでは落とせませんので、歯科で定期的に歯石除去(スケーリング)することが重要です。